伝統の技を体験
富山 金太郎温泉から車で60分
【体験レポート】他にはないガラス制作体験ができる「富山ガラス工房」(富山市)
こんにちは、フロントスタッフの坂東です。
今回は、富山市にある「富山ガラス工房」で、ガラスの雛人形の制作体験をしてきました!その様子をレポートします。
富山ガラス工房とは
「ガラスの街」といわれる富山市。これは、300年以上の伝統がある富山の薬売りに由来しています。
明治・大正期には、薬瓶の製造がさかんに行われており、富山駅周辺を中心にガラス工場が10社以上あったといわれています。多くのガラス職人が存在していた歴史を踏まえ、富山市でガラスをテーマにした街づくりが進められてきました。
その一環として、ガラス作家として独立し、ガラス工芸の振興に寄与する人材を育成する目的で富山ガラス工房が作られました。作家の活動拠点としてだけでなく、一般の方が気軽に見学や制作体験をできるスペースもあり、スタッフの方から丁寧に教えていただけます。
明治・大正期には、薬瓶の製造がさかんに行われており、富山駅周辺を中心にガラス工場が10社以上あったといわれています。多くのガラス職人が存在していた歴史を踏まえ、富山市でガラスをテーマにした街づくりが進められてきました。
その一環として、ガラス作家として独立し、ガラス工芸の振興に寄与する人材を育成する目的で富山ガラス工房が作られました。作家の活動拠点としてだけでなく、一般の方が気軽に見学や制作体験をできるスペースもあり、スタッフの方から丁寧に教えていただけます。
雛人形の制作体験へ!
今回は、期間限定で行われている特別制作体験の「ガラスの雛人形」を予約し、体験へ行ってきました。
ガラス制作体験で、雛人形が作れるというのは初めて見たので楽しみにしていました!
雛人形のほか、過去にはビアジョッキ、ハロウィンオーナメント、ガラスの鏡餅、ガラスのお寿司などの制作体験が開催されています。特にガラスのお寿司の制作体験はすぐに枠が埋まってしまうほどの人気ぶりでした。
期間限定ではなく常時体験できるコースには、吹きガラスとペーパーウェイトの制作体験がありますよ。
ガラス制作体験で、雛人形が作れるというのは初めて見たので楽しみにしていました!
雛人形のほか、過去にはビアジョッキ、ハロウィンオーナメント、ガラスの鏡餅、ガラスのお寿司などの制作体験が開催されています。特にガラスのお寿司の制作体験はすぐに枠が埋まってしまうほどの人気ぶりでした。
期間限定ではなく常時体験できるコースには、吹きガラスとペーパーウェイトの制作体験がありますよ。
受付を済ませ、まず作りたい雛人形のイメージ図を書きました。(1枚目が私のデザイン、2枚目が家族のデザインです。)
体・顔・烏帽子のパーツがあり、体と烏帽子のデザインや色を決めることができます。また、体部分は3層のガラスから成り、内側の1・2層目のデザインを決め、その外側を3層目の透明のガラスでコーティングしてできています。
たくさんのパターンがあるのでそれぞれを決めるのは迷いました。ですが、形やデザインなどの見本となるガラスを見ながらスタッフの方が説明してくださるので、完成形をイメージしやすかったです!
体・顔・烏帽子のパーツがあり、体と烏帽子のデザインや色を決めることができます。また、体部分は3層のガラスから成り、内側の1・2層目のデザインを決め、その外側を3層目の透明のガラスでコーティングしてできています。
たくさんのパターンがあるのでそれぞれを決めるのは迷いました。ですが、形やデザインなどの見本となるガラスを見ながらスタッフの方が説明してくださるので、完成形をイメージしやすかったです!
いよいよ工房へ!
作りたい雛人形のデザインが完成すると、工房へ移動します。受付場所から工房へ行くまでの天井に、鮮やかなガラス作品がたくさん散りばめられていて、ワクワク感も高まっていきます。
工房の中に入ると、熱いガラスを扱っているだけあって上着無しでも暖かさを感じました。
使う道具の説明を受け、いよいよ体験スタート!細かな作業は決めたデザインによって変わりますが、大きな流れとして、竿という金属製の棒の先端にガラスを巻いて成形していくイメージです。基本的に、工房のスタッフの方と一緒に竿を持って制作するので、初めてでも安心・安全です。
工房の中に入ると、熱いガラスを扱っているだけあって上着無しでも暖かさを感じました。
使う道具の説明を受け、いよいよ体験スタート!細かな作業は決めたデザインによって変わりますが、大きな流れとして、竿という金属製の棒の先端にガラスを巻いて成形していくイメージです。基本的に、工房のスタッフの方と一緒に竿を持って制作するので、初めてでも安心・安全です。
体の1層目を作る
まず「溶解炉」という透明なガラスが溶けた窯に竿を入れ、ガラスを巻いていきます。溶解炉内部の温度は約1300℃で、全体がオレンジ色に光っていました。
溶解炉から竿を出し、溶けたガラスが落ちないように竿をくるくる回転させながら次の作業場所まで移動させます。
溶解炉から竿を出し、溶けたガラスが落ちないように竿をくるくる回転させながら次の作業場所まで移動させます。
「マーバー」という鉄製の作業台にガラスを置き、転がして形を整えます。
私は体の1層目を小さな泡が入ったデザインにしたので、重曹を溶かした水の中にガラスを入れて表面に泡をつける工程がありました。
私は体の1層目を小さな泡が入ったデザインにしたので、重曹を溶かした水の中にガラスを入れて表面に泡をつける工程がありました。
体の2層目を作る
1層目ができると、再度 溶解炉に竿を持っていき上から2層目のガラスを巻きます。2層目のデザインはマーブルにしたので、色付きのガラスでマーブル模様を作る工程があります。
竿に巻いたガラスで、作業台に用意された色付きの細かなガラスをくっつけていきます。
竿に巻いたガラスで、作業台に用意された色付きの細かなガラスをくっつけていきます。
次に、「グローリーホール」という約1270℃の窯の中で色付きガラスをマーブルにする作業です。
「グローリーホール」は、中は空洞で冷めたガラスを再加熱できるようになっており、正面に立つとかなり熱さを感じました。
スタッフの方も夏場は大変だとおっしゃっていました。
「グローリーホール」は、中は空洞で冷めたガラスを再加熱できるようになっており、正面に立つとかなり熱さを感じました。
スタッフの方も夏場は大変だとおっしゃっていました。
竿の先端をグローリーホールの中に入れ、ガラスが溶けて垂れてきたところを、竿を回転させ巻き取っていくことでマーブル模様ができます。
スプーンですくったハチミツを垂れないように巻き取るような感覚でした。
スプーンですくったハチミツを垂れないように巻き取るような感覚でした。
この後、スタッフの方に3層目のガラスをつけてもらい、成形していきます。ここでは、「ベンチ」と呼ばれる台の上に座っての作業でした。
まずガラス全体に空気をかけて冷まします。
その後、「紙リン」と呼ばれる、水で濡らした新聞紙を優しく当てて形を整えます。私たちは軍手をしていたのでまったく熱くなかったですが、スタッフの方は素手で新聞紙を持っていたので「火傷しないだろうか」とドキドキしながら見ていました。
ちなみに、この新聞紙は朝日新聞を使っている工房が多く、その適度な硬さ・表面のつるつるさが成形するのに適しているそうです!
最後に「ジャック」というトングのようなもので、切り離す部分をくびれさせて、体の部分は完成です!
まずガラス全体に空気をかけて冷まします。
その後、「紙リン」と呼ばれる、水で濡らした新聞紙を優しく当てて形を整えます。私たちは軍手をしていたのでまったく熱くなかったですが、スタッフの方は素手で新聞紙を持っていたので「火傷しないだろうか」とドキドキしながら見ていました。
ちなみに、この新聞紙は朝日新聞を使っている工房が多く、その適度な硬さ・表面のつるつるさが成形するのに適しているそうです!
最後に「ジャック」というトングのようなもので、切り離す部分をくびれさせて、体の部分は完成です!
顔と烏帽子を付ける
体のパーツに、新しいガラスをくっつけて顔を作ります。
スタッフの方が溶けたガラスを竿に巻いて持ってきてくれるので、私はその竿を「クランプ」というトングのようなもので挟んで安定させる役割でした。
ガラスを付け、ハサミでちょうどいい長さのところで切ることで顔の部分になります。切った直後は細長い形ですが、重力でガラスが垂れていき少しずつ顔部分が丸くなっていくそうです。
スタッフの方が溶けたガラスを竿に巻いて持ってきてくれるので、私はその竿を「クランプ」というトングのようなもので挟んで安定させる役割でした。
ガラスを付け、ハサミでちょうどいい長さのところで切ることで顔の部分になります。切った直後は細長い形ですが、重力でガラスが垂れていき少しずつ顔部分が丸くなっていくそうです。
同じ手順で顔の上に烏帽子を作ります。
烏帽子の形を平たくするときはクランプで挟み、三又にするときはハサミで切り込みを入れました。
烏帽子の形を平たくするときはクランプで挟み、三又にするときはハサミで切り込みを入れました。
最後はスタッフの方が整えてくれ、完成です!
ただしこれから一晩かけてガラスを冷ます工程が必要です。できたては600℃ほどあり、急激に冷ますとガラスが割れてしまいます。そのため、中が480℃に保たれた「徐冷炉(じょれいろ)」というボックスの中で一晩かけて、50~60℃くらいになるまでゆっくり冷まします。
ただしこれから一晩かけてガラスを冷ます工程が必要です。できたては600℃ほどあり、急激に冷ますとガラスが割れてしまいます。そのため、中が480℃に保たれた「徐冷炉(じょれいろ)」というボックスの中で一晩かけて、50~60℃くらいになるまでゆっくり冷まします。
完成品とご対面!
作った作品は約1週間後に工房で受け取るか、自宅への配送も可能です。
私の作った雛人形がこちら!
私の作った雛人形がこちら!
とても美しい仕上がりで、ずっと眺めていたくなります。選んだ色やデザインがイメージしていたよりも綺麗に組み合わさり、素敵なガラスの雛人形になって大満足です!
家族の作った雛人形は向かって右側。違った色やデザインですが、どちらもかわいい仕上がりになりました!
自分好みにデザイン・制作し、完成品と対面するまでの嬉しさを感じました。
自分好みにデザイン・制作し、完成品と対面するまでの嬉しさを感じました。
制作体験の後はショップへ!
工房には、作家さんの作品が展示・販売されているショップも併設されています。
今回は雛人形の企画展が行われており、制作体験をした後に行くと、作品の繊細さをより実感しました。
雛人形以外にも、器やアクセサリーなど美しい作品がたくさん並んでいて、「これも綺麗、あれもかわいい」と目移りしてしまう素敵なショップでした。自分や大切な人への贈り物にもよいと思います。
制作体験はスタッフの方の丁寧な説明とサポートがあり、学びながらとても楽しく体験することができました!
「ガラスの街とやま」にお越しの際は、ぜひ富山ガラス工房へ遊びに行ってみてください!
今回は雛人形の企画展が行われており、制作体験をした後に行くと、作品の繊細さをより実感しました。
雛人形以外にも、器やアクセサリーなど美しい作品がたくさん並んでいて、「これも綺麗、あれもかわいい」と目移りしてしまう素敵なショップでした。自分や大切な人への贈り物にもよいと思います。
制作体験はスタッフの方の丁寧な説明とサポートがあり、学びながらとても楽しく体験することができました!
「ガラスの街とやま」にお越しの際は、ぜひ富山ガラス工房へ遊びに行ってみてください!